Group practice の意味;グループ診療とGroup practiceは違うもの
紛らわしい医療英語の一つ、Group Practiceの意味とは?
グループとプラクティス、二つとも難しい単語ではないし、weblioなんかだと「グループ診療」と訳が出てくるのだが、これは厳密に言うと、誤解を生む訳例なんじゃないかと思う。
Group Practiceとは何か?
これは特にアメリカで普及している病院の運営形態なのですが、複数の医師が共同して診療所を経営することです。辞書を引くとこう書いてあります。
*group practice
要は、建物やその他の財産を、医者、歯医者、獣医がシェアする医療形態のことですね。
ではグループ診療とは何か?
国立メディカルセンターのHPにはこう書いてあります。
「それぞれ専門の開業医が患者さまにより身近な対応を行い、さらに同じ施設で診療に当たること」。**
つまり、グループ診療はかかりつけ医とは対照的に、複数の専門医が連携して診療すること。
まとめると、Group Practice が病院/診療所運営の形態を指しているのに対し、グループ診療は患者さんへの診療スタイルのことを指しているわけです。
じゃあどう訳せばいいのか。
こちらの医療系ジャーナルでは、Group Practice はそのままグループプラクティスと訳されています。
プラクティス(practice)とは「開業」の意味で,ソロ・プラクティス(solo practice)は文字通り「一人」あるいは「単独」で開業するということである.一方,グループ・プラクティス(group prac-tice)とは,何人かの医師が契約に基づいてグループを組み集団で開業することとされている.グループ・プラクティスは日本ではあまり馴染みのない言葉で,そのような開業は必ずしも一般的ではないが,米国においては医師が開業する際に非常によく用いられる開業の形態である. プラクティス(practice)とは「開業」の意味で,ソロ・プラクティス(solo practice)は文字通り「一人」あるいは「単独」で開業するということである.一方,グループ・プラクティス(group prac-tice)とは,何人かの医師が契約に基づいてグループを組み集団で開業することとされている.グループ・プラクティスは日本ではあまり馴染みのない言葉で,そのような開業は必ずしも一般的ではないが,米国においては医師が開業する際に非常によく用いられる開業の形態である.***
今のところ、私もグループプラクティスと訳すしかないかなと今のところ思っています。しかしこの言葉が医者が普段使う言葉なのかは疑問なところです。Readerに合わせて訳を作っていくしかなさそうです。いい訳案あればぜひ教えてください。まあ、そもそもあまり日本人とは関係がないから日本語になりにくいですよね。
というわけで初回の記事は以上。Group Practiceを安易にグループ診療と訳してはなりません、ということでした。
出典
*The American Heritage® Medical Dictionary