医療翻訳家のブログ

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イギリスの翻訳会社の正社員。20代。イギリスの片田舎に住んでいます。都会に引っ越したい。医療の知識なしで翻訳者になってしまいました。医療関係者ではない視点から、医療英単語やフレーズをどのように訳せばいいのかを解説します。

翻訳家になるために必要な英語力

翻訳者になりたいけれど、どれくらいの英語力があればいいの…?と思う方がいらっしゃるかもしれません。TOEICとか、翻訳者検定の資格から入りたい人もいるかもしれません。

 

様々な英語検定試験や翻訳者の資格を基準にするのも手かとは思いますが、私は単純に「分からない単語の意味さえ分かれば、読めない文章はない」という状態が1つの基準になると思います。これがクリアできれば、最初のラインは越えたと思っていいと思います。

 

これはどういうことか?これは言い換えると、専門用語など知らない単語は多少あるけれども、英語の文法や構文の知識に穴がないという状態です。乱暴な言い方をするなら、辞書さえあれば何でも訳せるという状態です。

 

ご自分の英語力でいけるのか分からないという方は、翻訳のトライアルに挑戦してみると良いでしょう。ここで辞書をいくら引いてもピンと来ない文章があるとか、文構造が分からない文章がある場合は文法や構文の知識に穴があるということです。その状態で翻訳者になることはあまりおすすめしません。文法構文をやり直しましょう。

 

私の文法の知識が完璧になったのは実は大学在学中、英語学校に通い始めてからでした。それまでは、大学受験のときでもまだもやもやする部分があったと思います。今考えたらそれでよく受かったなと思いますが。

 

大学在学中の文法の勉強には参考書1冊しか使っていません。その名もあの「自由自在」。これを1ヶ月で終わらせたら、本当に見える景色が変わりました。これです:

中学 自由自在 英語: 基礎から難関校受験まで (中学自由自在) | 齋藤栄二 |本 | 通販 | Amazon

 

やり方は、1日1章ずつ(30分くらいで終わります)やります。まず解説を読み、それから例題を解きます。そして、ここからがポイントなんですが、例題の文章をぶつぶつ言いながら全部覚えます。最終的には、日本語の文を見て英語がスラスラしゃべれるようになるまでやります(大体10~20周やればここまで来れるはず)。ここでなるべくスピードを意識しましょう。自分の口が言葉を発する限界の速度でしゃべるように心がけてください。このようにして知識とともに文章を覚えると、ベーシックな英文法が自分のいわば血肉として身につくので、頑張って覚えましょう。

自由自在(じゃなくてもいいですが、体系的な参考書一冊)の1章のボリュームはそれほど多くないですが、分かるまで読むことが大切です。分からないところはうやむやにせず、誰かに聞きましょう。集中して、1日30分を1ヶ月続けられたら、大分英語が読めるようになってくるはず。しんどいですが、1ヶ月と決めてやってみましょう。

 

文法の参考書を1冊終わらせ、文法の知識に穴がなくなったら、あとは単語やフレーズを覚えていけば良いでしょう。翻訳者になるためだけであればリスニングやスピーキングのスキルは必要ないので、キチンと読めること、書けることに重点を置いて学習していけば良いと思います。

 

前にも書いた通り、翻訳者にとって必要なのは上で述べた最低限の英語力と、最高の日本語力です。本当にですね、日本語ができない人は翻訳者になってはいけません。日本語ができない人が翻訳をすると、その翻訳者にとっては英語の意味が完璧に理解できていても、読み手にとっては全く何を言ってるのかわからない。という現象が起きてしまいます。このことは過去の記事で書いたのでご参考にしてください。

 

それではまた。

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