女の子にこそ留学してほしい!海外に行って変わった4つの価値観
はじめに
さて今回は価値観の話です。海外に行くと価値観が変わるよ!とよく言われますが、それは具体的にどういうことなのか。個人の体験によって様々だと思うので、色々なブログや体験談を読んでほしいと思うのですが、私の経験をもとに少し4つだけ話してみたいと思います。女性向きに書いてある部分もあります。
海外に行って変わった4つの価値観
「可愛い」かどうかは重要ではなくなる
日本では、若い女の子にとって「可愛い」ことは本当に重要です。可愛いだけで、チヤホヤされて、異性の注意も同性の注意も引くことができ、何なら就職も有利になったりする。だから皆美意識が高く、可愛くなろうと頑張るのですね。
私は可愛くなることによって自分に自信がつくことはむしろ良いことだと思っています。見た目への努力って成果が出やすいし、それで自信が得られるならやった方が良いと思います。でも、私が気になるのは日本の世間や社会の集団的な価値観とマナーです。日本人は人の見た目についてあれこれ言うことへの抵抗とか、それが失礼なことであるという感覚があまりにもなさすぎると思います。人の見た目について何か言う人を、ダサいな。って思える感覚もないし、言われた方がただただ傷つくだけで終わってしまう。残念なことです。
こんな偉そうなことを言っておいて、私も昔は「太ったね」と言ったことはさすがにないものの、痩せたくないのに痩せてしまった人に痩せましたねと安易に言ってしまったりしたことがあります。今思うとなんと失礼なことをしてしまったのか...。
イギリス人は、見た目のことを内心考えてはいても、それを口に出したりしません。「太ったね」とか「痩せたね」とか、思っていてもそれを本人に言うことへのハードルが日本よりはるかに高いと思います。関係性によりますが、友達であっても言わない方が無難でしょう。ただし、服装などを褒めるのはもちろんOKで、You look good today.などは普通に言います。(ちなみにYou are beautiful.と言うとただの口説き文句なので、よっぽど自分に自信がない限り気持ち悪がられてしまうでしょう。)
それと私がすごくいいと思うのが、就職の時も、履歴書に年齢や顔写真は載せなくて良いこと。選考を公正なものにするためです。私を雇ってくれた会社も、未だに私の年齢を知らないのではないかと思います。一方で「顔採用」がまかり通ってしまう日本、おかしいと思いませんか?顔で負けるの嫌じゃないですか?私は嫌です。
イギリスの街を歩いていて目にするファッションポスターには、太っている人やお年寄りの姿も多くなりました。移民の多い国ですから、「多様性」が大事な価値観として特に企業間で共有されている気がします。
「私は女である前に1人の人間である」とずっと思っていた私は、イギリスに来て日本的なしがらみから解放されて心から自由を感じることができました。こんな感覚は人生で初めてのことだったし、この自由(自分からも他人からも自由)を得られたことは本当に幸せでした。だから、女性にこそ行き詰った時には思い切って海外に行ってみて、価値観の違いを肌で感じてみてほしいなと思います。
見た目の「良さ」の基準が変わる
これは昔からよく言われている話ですが、日本では二重が可愛いとされていても海外では切れ長の一重の方がクールだとウケる。など、見た目の良さの基準が変わる、正確に言うと基準が1つではないことが実感できます。「美白」とか「小顔」もアジア独特の美の概念で、これらはヨーロッパではあまり重要視されません(特に肌の色は問題にならない)。日本の「可愛い」を軸に生きてきた自分を見つめ直すいいきっかけにもなるでしょう。
あとは日本では小さいおしりがいいことだとされていますがヨーロッパでは出ている方がいいとされていますね。海外ではかわいいよりセクシーの方がモテると言いますが、ある意味本当です。日本の「カワイイ」が案外アジアでしか通用しないのかもしれない、と気づきます。 多様な価値観を知ると美の幅も広がりますし、自分が何を美しいと思うかがよりクッキリと分かるようになります。
2週間の休暇を取るのが当たり前になる
日系企業では1週間の休暇を取るのも難しいようですが、海外企業だと2週間はまとまってお休みをとれます。なのでそういう時に海外に行く人も多いです。
これも文化の違いという言葉に尽きるのですが、これに慣れてしまうと日本の企業への不満が解消できなくなるでしょう。私も正直、1週間も休みを取れない企業ってありえないなと思います。企業とは、ある1人がいないときにも誰か別の人が代わりを務められるシステムを備えているべきものだと思うからです。
イギリスはプライベート>>>>>>>>>>仕事です。良くも悪くも。でもひとたびこれを経験すると、1人が2週間いないくらいで会社がどうにかなったりしないということがよく分かります。
現在の日本の人から話を聞いていると、休みが取りにくいだとか、代わりがいなくて休めないとかいったことがよくあるみたいです。でも、間違えないでほしいのですが、有給休暇は労働者に与えられた権利であり、それを使ってはいけない理由はどこにもないんですよ。あなたの代わりがいないのはあなたの責任ではありません。堂々と休んだら悪者扱いされるかもしれませんが、悪者はそのような空気を作っている雇用者側であり、あなたではありません。再度言いますが、組織を作っておいて個人に依存したビジネスをやるのはおかしな話だと思います。組織として成り立つように代わりを確保しておくのが経営者の役目ではないのでしょうか?
日本の会社は会社にとっていいように労働者を使っているところが多いように思いますが、いい加減このような空気を変えないといけないと思います。空気を変えるには、若い人達が「これはおかしいよね」という価値観を共有するのが一番です。そしておかしいと思ったらおかしいと言った方がいいです。空気を読みすぎて得するのは会社だけで、個人の人生を考えたら全くメリットはありません。自分の人生なのですから、好きに生きたいじゃありませんか。
もっと大きな話をすると、イギリスは「従業員が足りないから」という理由で電車がキャンセル(遅延ではない、待っても一生来ない)されることが本当によくあります。でも誰も駅員に暴言を吐いたりしないし、困ったなあという反応は示すものの、それだけです。ですから「ビジネスが回らない」ということがよくあるし、「あるあるだね」という感覚が国全体で共有されている気がします。
日本企業から見るとこのようなあり方は信じられないでしょう。でもひとたび個人としてイギリスに住んでみると、イギリス人のいい加減さも「まあ仕方ないな」と思って受け入れられる自分がいることに気が付くはずです(それにイギリスはまだ真面目な方で、イタリアなんかはもっといい加減です)。ですから、自分の信じている価値観ってただ土地に根付いているだけの場合も多いんです。イギリス人になれとは言いませんが、日本のみっちりきっちり、現場第一の価値観が全てではないし、他を知る前に日本の価値観を自分の価値観とするのは早すぎるのではないかということです。
群れなくなる
イギリスの大学院に行っていた時に、サークルで旅行に行きました。ある時10人くらいで団体行動していたのですが、電車に乗った時に席が2人掛けの席が1人分空いている所はちらほらあったのですが、2人掛けがまるまる空いているところはなく、10人全員は座れない状況だったんです。
この時電車に乗った瞬間、みんなは秒で1人掛けの席に座る人、立つ人にサッと分かれました。なんの会話もなくです。私は正直面食らってしまいました。日本だったら、団体でいてみんなで座れない時にはみんな立つか、「どうする?」と話し合ってたむろして座りたい人は座る、というのが当たり前だったからです。
この時に「ヨーロッパは個人主義だから」という言葉の意味がようやく分かりました。みんな群れないし、個人の考え方を尊重している。正直、すごいなと思いました。何か日本人の群れる文化って、ヨーロッパの個人主義に直面すると恥ずかしくなってしまうものです。
しかもその後、1人は「ここの駅を見たいから、また後でね」と言って先に降りてしまいました。もう日本人としてはびっくりです。わが道を行く人ばかりで、ただただ圧倒されてしまいました。一生忘れられない経験です。
おわりに
海外に行って、自分が当たり前のように感じていたことが当たり前にならなかったり、他の文化を尊敬したりする経験はとても貴重です。その違いから辛い思いをすることも数えきれないくらいありますし、私も何度ももうダメだ、と思ったこともあります。でも何とか生きてこれました。これから留学に行く方には、是非海外の価値観に触れて自分や日本を客観視してみてほしいと思います。