医療翻訳家のブログ

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イギリスの翻訳会社の正社員。20代。イギリスの片田舎に住んでいます。都会に引っ越したい。医療の知識なしで翻訳者になってしまいました。医療関係者ではない視点から、医療英単語やフレーズをどのように訳せばいいのかを解説します。

(雑談)5分くださいとネイティヴっぽく英語で言うには?〜時間に関する言い方〜

これを単純に訳すならGive me five minutes.でいいのですが、イギリスでこれを言うと30分くらいかかるんだな、と思われます。今日は英語の話というよりも文化や、ネイティヴは実際に何と言うのかについてのお話です。ちなみに本記事はイギリスを念頭に置いており、さらに一個人の見解として捉えていただければと思います。

 

さて日本人は時間にどこまでも正確ですから、「5分ください」と言ったら時計通りの5分を想像します。つまり300秒。ですがイギリスで5分くださいと言われたら、大抵30分くらいの感覚です。10分ください、と言われたら大体1時間です。

 

じゃあ本当に5分欲しいときは何と言えばいいのか?

私の経験から言いますと、2 seconds please. とか、友達同士ならGive me 2 secs. とか言われると、まあ大体5分くらいかな、という感覚です。

 

何が言いたいかというと、時間に関する言い方、特に「ちょっと1分だけいいですか」などという言い方をされた時に、ネイティブは文字通りの時間を言っているわけではないということです。

 

特にこれはイギリス人が大げさな表現が大好きだということと関係があるでしょう。

そう、イギリス人は誇張表現が大好きです。例えば駐車場に着いて車から出る際、私が隣の車にぶつけないかと恐る恐るドアを開けていた際恋人が言った言葉。’You can come out, it’s miles away.’ (出られるよ、(隣の車からは)何マイルも離れてるじゃん)(1マイル=1.609キロメートル)

 

また、日本のごみの分別システムに対するコメント。”We have to separate our rubbish into like 5000 bins”(ごみを5000種類に分けないといけないんだ)

 

面白いですよね。日本人はこういう言い方はあまりしませんが、イギリスでは日常的に誇大表現が好まれます。これ、結構私は気に入っていて、日本語で使えないのがたまに不便に感じるくらいです。

 

話を戻すと、こうした比喩?が大好きなイギリス人ですから、時間の表現も比喩的なんです。なので、「ちょっといいですか?」というときは’Could we have a talk for a minute, please?’などと言えばよいでしょう。

 

こんなことを考えていると、インドネシアの「ゴム時間」を思い出します。インドネシアも時間に正確ではない国で、人を待たせても全然平気。時間がゴムのように伸びるという概念が(ともちろん単語も)ある…という話です。時間の感覚は本当に国それぞれで面白い。

 

それではさようなら。

 

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