医療翻訳家のブログ

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イギリスの翻訳会社の正社員。20代。イギリスの片田舎に住んでいます。都会に引っ越したい。医療の知識なしで翻訳者になってしまいました。医療関係者ではない視点から、医療英単語やフレーズをどのように訳せばいいのかを解説します。

日本に帰国して感じた違和感を忘れない

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私は海外に長らく住んだことのある人と話すと、言葉にはできない「何か」を共有している感じが必ず得られます。他愛のない思い出話や、日本帰ってきてどう?みたいな話をしていても、そこには何か日本にずっと住んでいる人とは違う、暗黙の価値観の共有があると思うのです。

 

もしかしたら、「海外かぶれ」と揶揄されることの奥にはこの価値観の受け入れのなさがあるのかもしれません。「日本はここが嫌」みたいな話をずっとしていると、「あいつなんだよ。海外行ったからって気取ってる」みたいな目で見られます。誰でも自分の住んでいる場所を否定されるのは嫌なものです。

 

でも「日本のここが嫌」は、海外で暮らしたことのある多くの人が多かれ少なかれ感じたことがあると思います。海外から帰ってくると、行く前は感じなかった様々な違和感を自分が感じていることに気づくんです。その違和感にはポジティブなものも、ネガティブなものもあります。私の場合、3年イギリスに行った後の帰国後の違和感はほとんどネガティブなものでした。今回はそれを言葉にしておきたいと思い、この記事を書いています。(帰国から半年以上経った現在は、違和感はなくなりました。)

 

違和感①街並みが美しくない

日本の街並みは誰が何と言おうと汚いです。海外から戻ってきてまず感じるのはこれ。経済性を追求した結果建物の背がどんどん高くなり、美が犠牲になってしまったのはとても残念です。

 

住めば都といいますが、ヨーロッパに住んだことのある人は街並みの美しい所に住む感覚を覚えていらっしゃると思います。やはり美の中に住むというのは良いものです。私はイギリスを離れましたが、自分の住んでいた地域の美しさを今でもありありと思い出すことができます。

 

 

違和感②偏った価値観

これは特にジェンダーについてそうです。日本でもジェンダーの自由について一応気にされるようになってきましたが、まだまだです。海外では様々なジェンダーの人がいるのが普通になってきました。例えばレズビアンの人を日本のテレビで見かけることは少ないと思いますが、イギリスやアメリカには結構普通にいます。

 

それと容姿いじり。これも日本特有の謎文化です。人の容姿についてあれこれ言うべきではないと思います。なぜなら人を不快にさせるから...。どうしてこんな当たり前のタブーが日本のテレビでは未だに許されているのでしょう??

youtu.be

 

↑2018年の動画です。0:15~春菜の恒例のイジリ「マイケルムーアじゃねーよ」「シュレックじゃねーよ」が始まりますが、アリアナグランデは全く笑わず。その後アリアナが春菜に「カワイイ」と直接言っています。それに対し加藤が「優しい」と言っていますが、、加藤の言う「優しさ」で言ってるのではないと思います。マスコミはこういうつまらないイジリをいつまで続けるのでしょうか。春菜も容姿ネタ辞めればいいのに。容姿イジリって見てて不快です。

 

違和感③気候がしんどい

日本は夏は蒸し暑く、冬は寒さが厳しいです。快適な気候の時期は一瞬で過ぎ去ってしまいます...。もう慣れたので大丈夫ですが、帰国直後は「気候さえも私の味方ではないのだ」という鬱思考に陥りました。

違和感④とてもうるさい、うるさい日本の私。

日本は街が非常にうるさいです。なぜか静寂というものがない。バスに乗ればずっとアナウンスが流れていて、スーパーでもコンビニでもなんだかイケてない音楽がかかっていて。静かになれるのは自宅のみ...なんてことがよくあります。このことを、私は心の中で耳レイプと呼んでいます。どうして聞きたくない音をこんなにも頻繁に聞かされなければいけないんだろう?放っておいてほしいですよね。一方海外は(アメリカは知りませんが)バスも沈黙、スーパーも無音です。その代わり向こうの人は声が通るため、飲み屋はうるさいです。音に敏感な人はどこに行ってもそれなりに辛い思いをするのかも。

 

番外編、ポジティブな違和感

 

言語が100%分かる(?)

言語の壁がなくなると本当にストレスフリーですよね。相手が何言っているのかがよく分かるというのは幸せなことです。ただあまり長く海外にいると、日本語の聞き取り能力は下がりますのでご注意を。逆に海外から帰りたての人が日本語を聞き返すことがあっても、「ああ、この人は日本語を取り戻す過程にいるんだな」と思って優しくしてあげてくださいね。

 

私は、海外に住んでいると自分の周波数みたいなものを変えざるを得ないんだと思っています。日本に住んでいる「感じ」で海外に住むと大変ストレスなので、物事に対する自分の態度を変える必要があるんです。

 

例えば、大概のイギリス人は仕事をきちんとしないです。どこに行っても、日本人ほどの職人クオリティを求めることは難しいかもしれません。そんな時に相手にイライラするのではなく、「ああイギリスらしいな」と思って受け入れるとストレスにならなくて良いですよ。日本での想定外を、想定内にしておくのです。

 

そして日本に帰ってきたらまた周波数を日本用に戻すのですが、なかなかすぐには戻り切らないでしょう。特に放っておいてくれない店員さんとか、やりすぎ(に感じてしまう)サービスとか、「もう放っておいてくれ」と思うことも多々あるかもしれません。そういう時に自分の価値観が海外の環境で変わったことが感じられると思います。

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