医療翻訳家のブログ

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イギリスの翻訳会社の正社員。20代。イギリスの片田舎に住んでいます。都会に引っ越したい。医療の知識なしで翻訳者になってしまいました。医療関係者ではない視点から、医療英単語やフレーズをどのように訳せばいいのかを解説します。

Officeって何ぞや-医療におけるofficeの意味と訳-

日常生活でOfficeというと、物理的な会社のことが思い浮かびます。オフィス街、私のオフィスで…などといった使い方をしますね。

 

ところが医療の世界では、office-based practiceなんていう言葉が出てきます。このoffice-basedもよく分からないし、practiceって何のこと…?と日本人にとってスッと頭に入ってこない厄介なフレーズですが、英語圏ではよく使われるので、聞いただけですぐに何を指しているのかイメージできるようにしておくといいでしょう。

 

practiceは診療行為のことを指します。

例えば、「診療経験は何年ですか」というには英語で何と言えばいいと思いますか?

ここは直訳せずに、英語的な言い方で行った方がしっくりくるでしょう。つまり日本語のS(診療経験)+be(は)+C(何年) という構造のまま訳すのではなく、「あなたは診療を何年していますか」という風に訳すのが自然です。答えはHow many years have you been in practice?となります。

 

さてofficeというのは、要はhospitalと比較して使われる「診療所」のようなものです。

Wikipediaにはこのように書いてあります。

doctor's office in American English, a doctor's surgery in British English, a doctor’s room in Australian English or a doctor's practice, is a medical facility in which one or more medical doctors, usually general practitioners (GP), receive and treat patients.

 イギリス英語ではdoctor's surgery。doctor's roomなんて聞いたことないですが、オージーではそう言うんですね~。

 

引用にあるGPというのは総合診療医、つまりかかりつけのお医者さんのことです(ちなみにイギリスではかかりつけの医者は登録制となっていて、自分が登録した医者のところに行くことになっています)。つまりofficeとは、GPのいる場所=診療所となります。

 

医療システムは国によって全く異なるのでピンと来ないと思いますが、大体の文脈においてofficeはhospital、つまり大病院との対比で使われているので、小さなクリニックや地域の診療所のことをイメージすると分かりやすいかと思います。

 

それでは今日はこのへんで。

出典:Doctor's office - Wikipedia

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