イギリスで現地就職するのはものすごく大変だったという話。
こんにちは。
現在(2020年4月)はコロナのせいで留学を切り上げなくてはならなかった方も多いかと思います。本当に気の毒です。でもまた留学したければチャンスは巡ってくると思いますし、留学という形にこだわらなくても、海外で働くチャンスはいくらでもあると思います。
さて、イギリスに留学中の皆さん、留学したいと思っている皆さん、留学後はどうしようと思っていますか?日本で就職する方がほとんどだと思いますが、私のようにイギリスにもう少し残りたいと思う方もいると思うんです。
そこで今日は、イギリスの就労ビザってどんな感じなの?という話です。ビザ情報はころころ変わるので、この記事を見て興味を持った方は、イギリス政府のサイトを読んでみてくださいね。
また2020年4月現在、コロナウイルスによる混乱でビザの状況も変動しています。これも政府のサイトでよく確認してください。以下は「通常時」のビザの話ですのでご注意ください。
0. 私がどうやって現地の会社に就職したか
私は留学最後の年の2月ごろから、卒業したらどうしようかなと考え始めました。
最初はぼんやりと日本企業への就職を考えていたので、海外の院生向けに日本の企業が開催してくれるキャリアフォーラムに行ったり、面接を受けてみたりしましたが、私はメンタルが弱いので、「日本の就職って面倒だし、何回にも分けて行われる面接の意味が分からないし、お祈りされるのも精神上良くない」と思って割と早期にあきらめました。
同じ年の4月頃から、イギリスでの就職を考え始め、大学がやってくれる模擬面接やCV添削を利用しつつ、大学の求人サイトに載っていた翻訳会社に応募してみました。すると会社からテストファイルが送られてきて、それに合格し、面接を受けに行き(1回だけ。田舎だったので駅まで車で迎えに来てくれた(!))、採用。という流れでした。
うちの会社は規模が小さいということもあるのですが、イギリスの企業は日本の企業のように面接を4回、5回行う...ということはあまりないと思います。むしろ即戦力を求めているので、インターンでコネを作ってそこに就職する。という人が多いみたいです。日本のようなしっかりとした新卒育成システムはありません(この点は日本の方がいいかなと思うのですが)。
1. 私のビザについて
私は会社にTier2ビザを出してもらっているのですが、これが稀なことであることに最近(ビザ発行されて約1年後)ようやく気がつきました。これまでも周りの日本人の方に、会社が発行してくれたの!?すごいね。とか、あとはアジア人の友達にも、どうやって発行してもらったの?とか聞かれてたんですが、当時は「え?会社が全部やってくれたよ〜🌸」とのほほんと答えてました。それがいかに貴重なことだったのか、当時は全く分かっていませんでした。いや無知って怖いですね。私の場合は、無知だからこそ運が味方してくれたのもあると思うのですが。
面接時の私はビザについてよく知らず、会社もビザについてよく知らずな状態でした(これが実は幸いでした)。大学のおかげでTier4ビザ(学生ビザ)が卒業後半年くらい有効(2020年現在は卒業後2年間有効らしいですよ!うらやましすぎる。)だったので、「半年後はビザが必要だけれども、とりあえずは働けます。」くらいの認識で入社しました。
正直、その時はその会社で何年働くかは全く考えていなかったので、Tier5(1年のビザで、給料の下限なし)でもいいかなと思っていました。会社が始めからTier2を出すつもりがあったとは思いませんが、私を信用してくれたのか、3年働く気があるならTier2でも構わないと言ってくれました。社内の日本人翻訳者が私しかおらず、フリーランサーを使うよりも私を雇ったほうが安いので、会社にメリットがあったんです。このメリットからビザ発行に動いてくれたんだと思います。「3年以内に辞める場合はビザ代を支払う」という契約書にサインさせられましたが。(そりゃそうですよね)
2. Tier2って何?
Tier2ビザについてお話します。現在Tier2には4種類(General work visa, Intra-company transfer visa, Minister of Religion visa, Sportsperson visa)があるのですが、ここではGeneral(一般。現地採用の場合、ほぼこれのみです)についてのみお話しします。Tier 2 Generalについてざっくり説明すると、
- 長期就労ビザ
- 期間は3年または5年(ですが転職するときにはまた新しくアプライしないといけません←注意!)
- 雇用主がスポンサーライセンスを持っている会社でなくてはならない
- アプライは、就職する3ヶ月前からできる
- 給与の下限がある。新卒だと£20,800、新卒でない場合£30,000
- 1年間に政府が発行するビザの数が決まっている
- shortage occupation list(人材不足な職種リスト) に入っている職種と、入っていない職種では扱いや費用が若干異なる。リストに入っていない職種の場合、会社は1ヶ月以上求人を出し、イギリス人やヨーロッパ人で事足りないことを証明しなくてはならない(これはアジア人にとって本当にキツイ話です)
(なお以上の情報は全て2020年1月18日時点のものです。ビザ情報は頻繁に変更されるので、ご自身で政府のサイトを参照してください)
です。なおビザにかかる費用は、職種や期間、プライオリティサービスの利用の有無によって大分変わってくるのですが私の場合はめちゃくちゃ高かったです。正確に覚えていないのですが日本円で30万くらいだったかと。
3. ビザを出してもらう可能性を上げるには?
さて本題に入りますが、希望の職種がshortage occupation listにない場合、ビザを取るのは大変です。なぜなら、
①会社は1ヶ月以上求人を出して、イギリス人やヨーロッパ人では事足らず、あなたを採用する必要があることを証明しなくてはならない(=あなたに相当の能力がある、または日本関連の職業に就く必要がある)
②ビザ代が高く、会社にとっての投資になるから
です。
このことから分かるように、Tier2を出してくれる会社は少ないです。リスクが大きい(投資である)ですし、イギリス人またはヨーロッパ人を雇えば大体事足りるから。
でも、逆に考えると「わざわざ貴方を雇う理由」があれば出してくれる可能性は上がるので、そこをCVでアピールしてはいかがでしょうか。何かヨーロッパ人が持っていない能力があってそれに秀でているとか、あとは私のように翻訳会社を当たるのも手かもしれません。翻訳会社でなくても、英語だけでなく他の言語も話せるということはメリットになることが多いです。例えばイギリスでもIT系のエンジニアの求人をよく見かけますが、「日本語が話せるエンジニア」を募集しているのを見たことがあります。あなたになにか秀でた能力やスキルがあるのであれば、その能力x日本語を売りにすることで、自分を差別化することができます。
あとはコンサルや会計監査もビザを出してくれやすいみたいですね。私の知人にも会計監査をやっていてビザを発行してもらっている人がいます。その子はめちゃくちゃ優秀でしたが。これに関してはこの動画が参考になるかもしれません。
イギリス就労ビザの取得の厳しさに負けずに、自分なりの可能性を模索してみてくださいね。
面接についての関連記事も書いたので、良かったら読んでみてください。
それではまた。